動詞の活用のルールは「五十音表」で説明できます(1)
先週の月曜日から「動詞の活用」を外国人がどう勉強するのかをご紹介して
きましたが、今日もその続きです。
動詞の活用は、外国人だけでなく、日本人の子供も苦手意識を持つ人が多い
ようですが、実は、あるものを使うとそのルールを簡単に教えることができ
ます。
その「あるもの」とは何か。
「ひらがな五十音表」! です。
日本でも、幼稚園や小学校1年生の教室には貼ってある「ひらがな五十音表」。
もっぱら、ひらがなを覚えるために使っていますが、これを上手く活用すると、
動詞の活用(五段活用)のルールが簡単に説明できるのです。
(「五段活用ってなんだっけ?」という方は、前回10/28(水)のブログを
ご覧下さい)
では、私たち日本語教師がどうやって教えているのか。
こうやって教えています。
①動詞の 「辞書の形」の最後のひらがなは全て「う段」のひらがなである。
(例)歌う/書く/話す/立つ/死ぬ/読む/座る/泳ぐ/遊ぶ
五段活用の動詞は、
②「動詞+ない」の形は辞書の形の最後のひらがなと「同じ行」の
「あ段」のひらがなを使って作る。
(例) 【辞書の形】 【動詞+ない】
書く(か行・う段) → 書かない(か行・あ段+ない)
話す(さ行・う段) → 話さない(さ行・あ段+ない)
立つ(た行・う段) → 立たない(た行・あ段+ない)
死ぬ(な行・う段) → 死なない(な行・あ段+ない)
読む(ま行・う段) → 読まない(ま行・あ段+ない)
座る(ら行・う段) → 座らない(ら行・あ段+ない)
泳ぐ(が行・う段) → 泳がない(が行・あ段+ない)
遊ぶ(ば行・う段) → 遊ばない(ば行・あ段+ない)
歌う(あ行・う段) → 歌わない(わ行・あ段+ない)※注1
(※注1)「●う」で終わる動詞は「あ行・あ段+ない」ではなく、
「わ行・あ段+ない」となるルールがあります。
③「動詞+ます/ました/ません」の形は、辞書の形の最後のひらがなと
「同じ行」の「い段」を使って作る。
(例) 【辞書の形】 【動詞+ます/ました/ません】
歌う(あ行・う段) → 歌います/歌いました/歌いません
(あ行・い段+ます/ました/ません)
書く(か行・う段) → 書きます/書きました/書きません
(か行・い段+ます/ました/ません)
話す(さ行・う段) → 話します/話しました/話しません
(さ行・い段+ます/ました/ません)
・・・「立つ」、「死ぬ」、「読む」、「座る」、「泳ぐ」、「遊ぶ」も
同様のルールで作れますので、やってみてください。
このように五十音表の「行」と「段」の組み合わせで、動詞の活用を教えると、
外国人も簡単に理解できるのです。
(学習者の中には、「先生、動詞の意味は忘れたけど、活用だけは正しく
できるよ~」なんて言う人もいます...。)
もし、皆さんの周りに「動詞の活用が苦手」という外国人や日本人の子供が
いたら、この五十音表を使ったルールを教えてあげてください。
「おおおおお〜!」と感動されるかもしれませんよ。
◆◇◆ 次回(11/9)予告 ◆◇◆
今日は五十音表の「あ段」、「い段」、「う段」を使ったルールをご紹介
しましたので、次回は「え段」と「お段」を使ったルールをご紹介います。