日本語の文法を外国人労働者へ効果的に教える方法

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「日本語の文法を外国人に教えるコツは?」「日本語の文法習得に大切なのは?」
日本語は世界でも随一の難しさを誇り、外国人社員を教育するとなると日本語の難しさをより実感する人も多いでしょう。
本記事では、日本語の文法を外国人に教える方法や、その際のコツなどを詳しく紹介していきます。
日本での外国人労働者が増えた今、人事担当や教育担当の方は必須級の知識かもしれません。

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日本語の文法を習得させる際に意識したいこと


まずは外国人の視点に立ったとき、日本語のどこに難しさを感じるのか、把握しなければなりません。
それを押さえさえすればあとは簡単。
私たち日本人が英語を学ぶときと同じように、一つひとつステップを踏んでいくことを意識させてあげてください。
決して闇雲に学習しないこと。一歩一歩、着実な学びが実を結びます。

日本語の文法を習得させるためのステップ

では、はじめにその「ステップ」を紹介します。 ここでは、以下の3ステップに分けました。
  • ①平仮名とカタカナをマスターさせる
  • ②単語を暗記させる
  • ③文法を覚えさせる
それぞれ解説していきます。

ステップ①ひらがなとカタカナをマスターさせる

まずはひらがなとカタカナをマスターさせましょう。 日本語における最大の難関は文字の多さといわれています。 闇雲な学習は禁物。 最難関である漢字と、ひらがな・カタカナに分けて考えましょう。 まずはひらがなとカタカナのマスターを目指します。

ステップ②単語を暗記させる

あなたははじめて知った英語は何だったか覚えていますか。 " This is a pen. " ? いえいえ。 きっとその前に " pen " を知っているはずです。 文を作るには単語が必要で、日本語学習においても「段階」は大事な考え方です。 また、単語を暗記していれば、文法事項が不十分でも意味が取れることがあります。

ステップ③文法を覚えさせる

さて、3ステップ目は文法です。 文法といっても幅広く、やはり簡単なところから入っていきましょう。 まずは主語と述語が1つずつ含まれた文章から扱い、品詞や文構造の理解から入っていきます。

日本語の文法で押さえておきたい基礎知識

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段階を把握したら、いよいよ内容に入っていきます。 まずは文法における基礎知識を教えましょう。 ここでは以下の10項目に分けました。
      1.文構造
      2.形容詞と形容動詞
      3.動詞の活用
      4.他動詞と自動詞の違い
      5.時制
      6.動作の段階
      7.動詞の態
      8.気持ちを表す語句
      9.助詞
      10.敬語
それぞれ簡単に見ていきましょう。

日本語文法の基礎知識①文構造

日本語の文型は基本的に3つです。
      1.主語+(目的語)+動詞
      2.主語+形容詞
      3.主語+名詞
以上のように、日本語の述語には3つの品詞が使われます。 まずはこれらの文型を覚えてもらいましょう。

日本語文法の基礎知識②形容詞と形容動詞

日本人には馴染み深い「形容詞」と「形容動詞」 日本語教育においてはそれぞれ「イ形容詞」「ナ形容詞」と呼ばれます。 イ形容詞は「可愛い」「大きい」「寒い」など、ナ形容詞は「綺麗な」「豊かな」「親切な」など。 どちらも名詞を修飾する言葉です。

日本語文法の基礎知識③動詞の活用

すべての動詞には活用があります。 ここでは「活用:あとに続く言葉によって単語の形が変わること」という認識で構いません。 たとえば「言う」であれば「言わない/言った/言えば」などと変化します。

日本語文法の基礎知識④他動詞と自動詞の違い

英語には他動詞と自動詞間に形の変化がないものばかりですが、日本語では大半が区別されます。 他動詞とは目的語を置く動詞のことで「(扉を)閉める」「(電気を)消す」「(ガラスを)割る」などが挙げられます。 逆に「閉まる」「消える」「割れる」などは自動詞といえます。

日本語文法の基礎知識⑤時制

英語を学んだとき「will」に違和感を持った人はいるでしょうか。 未来形と教わったかもしれませんが、厳密には違います。 また、日本語の時制にも未来形は存在しません。 日本語では、現在形で現在と未来を、過去形で過去を表します。 「彼は会議室にいる」は現在を、「これから公園へ行く」は未来を示す文ですね。 一方「彼が会議室にいた」「さっき公園へ行った」は過去形です。

日本語文法の基礎知識⑥動作の段階

動作は一連の流れがあり、言語はそれも正確に言い表します。 「走りかける」「走りだす」「走っている」「走り終える」などは一連の流れとしてイメージできますよね。 これが動詞の段階です。 「アスペクト」とも呼ばれます。

日本語文法の基礎知識⑦動詞の態

英語学習で「受動態」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 「be動詞+過去分詞」で表される文章です。 日本語にも受動態、ほかにも能動態や使役態が存在します。 主語や目的語と、述語の関係性と考えてもらって構いません。 以下に例をまとめました。
  • ・能動態:作家が小説を書く
  • ・受動態:小説が作家に書かれる
  • ・使役態:編集者が作家に本を書かせる
    • 動詞の態は「ボイス」や「相」とも呼ばれます。

      日本語文法の基礎知識⑧気持ちを表す語句


      文章の分類は無数にできますが「客観的文章」と「主観的憶測の文章」に分けたのがこの文法事項です。
      「主観的憶測の文章」は「モダリティ」とも呼ばれます。
      具体的には「〜べきだ」「〜らしい」「〜そう」「〜ようだ」というように推測のニュアンスが混じります。

      日本語文法の基礎知識⑨助詞


      助詞のなかにも「終助詞」や「接続助詞」など分類はさまざまですが、まずは基本となる格助詞を覚えてもらいましょう。
      なかでも「てにをは」はマストです。
      とくに、目的語を導く「を」と、主語を導く「は」「が」は早急に覚えてもらいたいですね。

      日本語文法の基礎知識⑩敬語


      最後は日本語文法の最難関ともいわれる敬語です。
      敬語は全部で5種類あります。

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