日本語教師とはどんな仕事? 需要や向いている人の特徴を解説

「日本語教師とは?」「日本語教師のメリット、デメリットは?」
日本語は世界でも随一の難しさを誇りますが、日本の文化を好んで来日する外国人も多数います。
本記事では、日本語教師の仕事内容や需要、日本語教師に向いている人の特徴などを詳しく紹介していきます。
外国人へ日本語を教える「日本語教師」を目指している方は必見です。
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日本語教師とは
日本語教師は、その名のとおり日本語を教える教師です。
しかし、日本語教師の性質は、同じく日本語を教える国語教師とまるで違います。
日本語教師は、外国語としての日本語を教える仕事です。
私たち日本人から見れば、外国人へ授業することになります。
日本語教師の仕事内容
外国人に対して日本語を教えることが、日本語教師の主な仕事内容です。
しかし、教える事柄は日本語に留まりません。
日本の文化、慣習、ビジネスマナーなども同時に教えていきます。
日本語教師に需要はある?

仕事とは、ニーズがあってはじめて成立するものです。
そして、日本語教師の需要は今現在、急激に増えているのをご存じでしょうか。
実際に国家資格化の動きもあり、2024年から全面施行を目指して有識者会議が繰り返されています。
日本語教師の需要が高まっている主な理由としては、たびたび以下の2つが挙げられます。
- ・在留外国人が増えている
- ・AIに代わることができない
それぞれ詳しく解説していきます。
在留外国人が増えている
まず紹介する日本語教師需要の理由は「在留外国人の増加」です。
2019年、日本国内における労働人口割合の減少を危惧した日本政府は「出入国管理及び難民認定法」を改正。
外国人労働者の受け入れ体制を強化しました。
これにより、留学生や外国人労働者の数が増加し、外国人に向けた日本語教育の見直しが実施されることとなりました。
留学生に向けた日本語教育はもちろん、労働者向けのビジネス日本語を学びたい外国人はこれからさらに増えていくでしょう。
AIに代わることができない
日本語教師の需要拡大、2つ目の理由は「現状のAIでは代替が不可能な仕事だから」です。
すべての自然言語は、人間の心理と密接な関係があります。
言葉や文脈の背景には、個々人の経験や心理が内在されていることはもちろん、その地域の文化や慣習がたぶんに含まれています。
たとえば、ビジネス日本語における「空気を読んだ言動」や、役職によって程度が変わる「敬語」もそういった言語の機微のひとつでしょう。
まだまだAIには難しい領域かもしれません。
また、そんななかで日本語教師が不足気味にあるという現状も相まって需要が高まっているのだと予想されます。
日本語教師の就職先
ここからは、日本語教師になったあと、就職先はどんな場所があるか見ていきましょう。
意外にもさまざまな場所で活躍しているのが日本語教師です。
ひとまず、国内と海外に分けてそれぞれ紹介していきます。
国内
まずは国内における日本語教師の主な就職先です。
以下に5つ、列挙します。
- ・日本語学校
- ・大学の留学生別科
- ・在日大使館
- ・外国人労働者を採用している企業
- ・外国人対象の日本語教室
日本語学校が有名ですが、来日外国人がいるところであれば日本語教師はいくらでも活躍の機会があるでしょう。
来日外国人を対象としたボランティア団体や、外国人児童へのレッスンなどもそのひとつです。
海外
次に、海外における日本語教師の主な就職先です。
以下に5つ、列挙します。
- ・日本語学校
- ・日本語が選択科目として存在する教育機関
- ・日系企業
- ・青年海外協力隊
- ・渡日前研修が存在する医療・福祉機関
海外にも、留学準備のための日本語学校が存在します。
ほかにも「日本へ渡る人へ日本語を教える場面」があるところは同様に就職先として挙がるでしょう。
また、私たちが第二外国語としてドイツ語や中国語を学ぶように、外国語として日本語を学べる大学も、日本語教師の就職先になります。
日本語教師のメリット
次は、日本語教師をするメリットを見ていきましょう。
ここでは、以下の3つを紹介します。
- ・視野が広がる
- ・やりがいがある
- ・人生経験をそのまま活かせる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット①視野が広がる
まずは視野が広がること。
日本語教師は多様な国の人と交流します。
もちろん、生徒によって価値観も常識も大きく異なり、そういった環境で働くことは柔軟さの獲得に繋がるでしょう。
また、外国人生徒は日本人では気づかない日本語の不思議を感じるなど、日本人が日本語について新たな発見をする機会にもなります。
メリット②やりがいがある
2つ目のメリットは、やりがいがあることです。
もちろん、やりがいをどこに感じるかは人によって違います。
しかし、日本語教師の顧客は目の前の生徒たちです。
学びたい人たちが期待を胸にお金を支払い、教師側は学びたい人たちに教え、感謝される。
文明が発展するにつれ、消費者やサービス受給者と顔を合わせない仕事が随分と増えました。
目の前の人を笑顔にするという単純な幸せを、日本語教師はより感じることができるのかもしれません。
メリット③人生経験をそのまま活かせる
最後のメリットは人生経験をそのまま活かせることです。
フルタイムではなく非常勤で週1〜2日ほどだけ働くケースも多い日本語教師。
セカンドライフの仕事としても人気が高く、長年日本で経験した文化や慣習、歴史などを伝えられるかもしれません。
日本語教師は日本語だけを教える仕事ではありません。
あなたが日本で生きて得たすべてが教材になります。
日本語教師のデメリット
次は日本語教師のデメリットです。
こちらも3つ、紹介します。
- ・非常勤だと稼ぎにくい
- ・常勤だと多忙
- ・日本語が好きだけでは務まらない
それぞれ解説していきましょう。
デメリット①非常勤だと稼ぎにくい
日本語教師は非常勤の場合が多く、そうなるといくつかの教育機関をかけもちしなければまとまった収入になりにくいでしょう。
日本語教師のみで高水準の生活を目指す場合は常勤講師にならなければいけません。
しかし、非常勤から常勤になるまで、平均2年近くはかかるようです。
デメリット②常勤だと多忙
常勤になったら楽かというとそうでもありません。
常勤講師の場合は生徒の管理など事務的な仕事まで任されることが多いため、業務量は格段に増えます。
ほかにも、進路指導や生活指導、教材作成などが授業以外の業務として課せられる場合があります。
デメリット③日本語が好きだけでは務まらない
何度も言いますが、日本語教師の仕事は「日本語を教える」に留まりません。
大事なのは「日本の文化・慣習を届けること」
国語が好きだったから、本を読むのが好きだから、センター試験の現代文で満点を取ったから向いているというわけではありません。
日本という国そのものの広い知識が必要で、そこを誤解している人にとっては大きな壁となるかもしれません。
日本語教師に向いている人の特徴
最後に、日本語教師に向いている人の特徴を独断で紹介します。
ここで紹介するのは、以下の3つです。
- ・日本語や日本の文化が好きで、それらを伝えたい人
- ・異文化が好きで、異国の人と積極的にコミュニケーションを取りたい人
- ・人一倍探究心が強く、当たり前のことを掘りさげられる人
もちろん多く当てはまっているから成功するわけでも、当てはまっていないから向いてないわけでもありません。
なりたい気持ちがある人は、以上3つの項目が正しいかどうか、日本語教師になってから、もういちどチェックしてみてくださいね。
特徴①日本語や日本の文化が好きで、それらを伝えたい人
日本語や日本の文化を多くの人に伝えたい。
日本語教師を目指す人の多くがこれに該当するのではないでしょうか。
この姿勢は日本語教師の仕事そのものであり、大いに向いているといえるでしょう。
特徴②異文化が好きで、異国の人と積極的にコミュニケーションを取りたい人
日本だけでなく異文化が好きというのも大事な指標です。
日本語教師をしているといくつもの新しい価値観に触れていきます。
知らなかった価値観を受け入れられるか、面白がれるか、一歩踏み込んで探究できるかという点は、とくに大きいのではないでしょうか。
特徴③人一倍探究心が強く、当たり前のことを掘りさげられる人
日本語教師には、この仕事ならではの壁があります。
それが「多くの日本人が考えたこともない問題に答えないといけないこと」
たとえば「『1回』と『1度』の違い」や「『明日は雨が降るんだった』の『た』はどういう意味か」など。
母国語話者では引っかかりにくいポイントにも勉強の手を伸ばさなくてはいけません。
日本語教師とは、世界を繋ぐ求められし職業
いかがでしたか。
今回は、日本語教師という仕事について解説してきました。
日本語教師の仕事内容や需要、メリット・デメリットがわかっていただけたかと思います。
日本語教師という仕事は、国家資格化の話も進んでいるほど需要の高い職業です。
日本語教師に向いている、日本語教師になりたいと考えている人は、ぜひ早い段階からその座をもぎ取りにいってください。
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