外国人社員に受けさせたいオンライン日本語学習とは

外国人社員の日本語力向上は、企業にとってもさまざまな面でプラスになり得ます。当然、日本語スキルと本人の能力はイコール関係ではありませんが、業務の理解力・遂行力への影響はあるでしょう。日本語スキルが高ければ、周囲とのコミュニケーションも円滑に行うことができます。これは、本人のパフォーマンスや会社満足度の向上、ともに働く日本人社員の負担軽減にも繋がります。
また、近年の法律改正により、外国人社員を雇用する企業側にも、積極的な日本語教育支援に努めることが求められるようになりました。しかしながら、外国人人材向けの日本語教育サービスは多岐にわたります。コスト面や自社の働き方との折り合いがつかず、外部サービスの導入がしづらいといった問題もあるでしょう。
そこで今回は、外国人社員の日本語学習を支援する方法の一つとして、オンライン型の学習システムをご紹介いたします。自社に合う日本語学習支援サービスをお探しの方は、ぜひ参考になさってください。
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オンラインで行う日本語学習の特徴
いわゆる「オンライン学習」とは、インターネットビデオ通話サービスを活用して行う、遠隔学習の一種です。現在では、オンライン語学学習に限らず、オンラインフィットネスなど、あらゆるジャンルで普及しています。広義では、アプリや動画を用いたeラーニングも、オンライン学習に含まれます。
ここではまず、オンラインで行う日本語学習の特徴を押さえておきましょう。
コストが低い
第一の特徴は、対面型の日本語学習サービスに比べると費用が安い点です。対面授業を行っている場所ですと、入学金や入会金が必要な場合もありますし、教科書などの教材費もかかりがちです。
オンライン学習は、実際の教室やスペースを用意する必要がないなどの理由で、運営コストがかかりにくいのが特徴です。そのため、受講者に対してリーズナブルな価格でサービスを提供することができます。
外国人社員に日本語学習の機会を提供したいが、費用面で実現に結びつかないという企業でも、コストの低いオンライン学習であれば導入できる可能性があります。
時間に縛られない
二つ目に挙げられる特徴は、オンラインであれば、時間に縛られることなく日本語学習が可能な点です。既に企業に採用され、業務をスタートしている外国人社員の場合、仕事の合間を縫って学習の時間を作らなければなりません。また、急な残業が発生してしまうこともあるでしょう。対面型のスクールなどはスケジュールがきっちりと決められていることが多いため、トラブル対応で授業に間に合わないかもしれない、などの懸念が生じるかもしれません。
オンライン学習であれば、自分の空いた時間、好きな時間を選んで受講することができます。深夜や早朝など、対面型のスクールでは難しい時間帯にも受講枠を設けていることが一般的です。また、急な時間の変更や直前の予約でも、柔軟に対応してもらえる場合が多いです。平日の出勤前や帰宅後にも受講できますので、外国人社員としても気軽にトライしやすいでしょう。
学習する場所を選ばない
三つ目の特徴として、インターネット環境さえ整っていれば、場所を問わず日本語学習が可能な点が挙げられます。各社員の自宅からはもちろんですが、オフィスにいる時間帯に学習機会を設けてもよいでしょう。
場所を選ばない、というオンライン学習ならではの特徴がもっとも発揮されるのは、入社前です。入社は決まっているものの、まだ来日していないという内定者に対しても、オンライン学習ツールを提供することができます。事前研修という形で、ある程度日本語を習得した状態で入社してもらうことで、早い段階からスムーズにコミュニケーションがとれるでしょう。
オンライン日本語学習がおすすめの理由

続いては、オンライン型日本語学習サービスを導入するメリットや、おすすめのポイントについて解説していきます。
オンラインでの語学学習と聞くと、画面越しでの会話レッスンを想像される方も多いかもしれませんが、近年はさまざまなスタイルのオンライン学習サービスが提供されています。ここでは、具体的な事例を挙げながら、オンラインでの日本語学習の魅力について掘り下げていきます。
マンツーマンでの指導
日本語学校や塾など、対面型の日本語学習サービスは、グループでのレッスンが一般的です。また、漢字や作文のカリキュラムを用意しているなど、読み書きの習得を重視している学校もあります。
一方でオンライン型の日本語学習においては、マンツーマンでの指導がポピュラーです。新しい言語の習得には、聞くことと話すことが重要だと言われています。マンツーマンの場合、必然的に会話の機会が増えるため、聞く・話すスキルを効率的に高めることができます。他の受講者を気にすることなく、気軽に質問しやすいのもメリットと言えるでしょう。
受講者のスキルに応じた学習内容
受講者の日本語スキル・習熟度に合わせて、レッスン内容をカスタマイズできるのも、オンライン型日本語学習のメリットです。
日常・ビジネスにおける会話スキルの習得を重視したい場合は、マンツーマンでのレッスンが適しているでしょう。苦手な部分をしっかりと学習したい、などのニーズにも応えてもらえることが多いです。
自社のニーズにマッチしたサービスが見つかる
自社が求める日本語スキル・目標が明確な場合は、オンライン型の学習が特におすすめです。冒頭でも簡単にご紹介しましたが、オンラインの日本語学習は会話レッスンだけではなく、目的に合わせてさまざまなサービスが揃っています。アプリや動画などを教材とするeラーニングであれば、ボキャブラリーの強化や漢字・文法の習得など、特定の日本語の分野に特化した学習を行うことができます。もちろん、ビジネスシーンに対応した教材も豊富です。
細分化された需要にも対応できるオンライン学習サービスは、各企業の日本語学習支援でもメリットを発揮すると言えるでしょう。
オンライン日本語学習を取り入れる際の注意点
オンライン日本語学習の特徴やメリットをご紹介してきましたが、導入にあたって注意しておきたいこともあります。最後に、オンライン学習導入時の注意点を3つ解説いたします。
注意点以外にも日本語研修を導入する際に押さえておきたいポイントはたくさんあります。
以下の記事でまとめて紹介していますので、気になる方はご一読ください。
関連記事「
企業が日本語研修を導入する際に押さえておきたいポイントとは」
ネットワーク環境
一つ目の注意点は、ネットワーク環境です。日本語学習に限らず、ビデオ通話を用いたサービス全般に当てはまることではありますが、回線状況が不安定ですと、音声や映像が乱れる、通信が途切れるなどのトラブルが起こりやすくなります。
いつでもどこでも学習できることは、オンラインならではの魅力です。しかし、オフィスのように常に快適なインターネット環境で学習できるとは限りません。この弱点をなるべくカバーするためには、サポートの充実したオンライン日本語学習サービスの導入がおすすめです。
コミュニケーションの取りづらさ
二つ目の注意点は、対面に比べると、細かなコミュニケーションが取りづらい点です。リアルでの会話と、画面越しの会話では、雰囲気や感じ方も微妙に異なります。日本語ならではの繊細なニュアンスを掴むのはなかなか難しいかもしれません。
学習モチベーションの維持が難しい
三つ目の注意点は、モチベーション維持の難しさです。オンライン学習は好きなタイミングで受講でき、強制力もそれほどありません。つまり、学習ペースは受講者のモチベーションに任せることになります。
外国人社員のモチベーションが高い、習得目標が明確になっている、といった場合はあまり問題ではありませんが、全ての人材がそうとは限りません。
企業としては、オンラインの学習環境を用意するだけで終わらせるのではなく、学習意欲を維持できるようなサポートを行うことも大切です。学習成果の振り返りや自己学習の支援を行ったり、日本語教師による対面でのフォロー体制を取り入れたりするとよいでしょう。
オンライン学習のメリットを最大化する運用を
外国人社員向けのオンライン日本語学習サービスについてご紹介いたしましたが、特徴やメリットを知っていただくことができましたでしょうか。
オンライン日本語学習は、コストも比較的低く、企業としては取り入れやすいツールです。マンツーマンでの指導は、スピーディーな日本語習得に適していますし、自社が重要視している日本語スキルに特化した学習を導入することもできます。
一方で、外国人社員が学習を継続していくためには、企業側からの支援も必要でしょう。ただ日本語学習サービスを取り入れるだけではなく、社員のエンゲージメント向上、会社としてのメリットの増大に繋がるような運用が求められます。
日本語センターでは、法人様向けに日本語オンライン研修を行っています。
外国人社員の日本語教育でお困りの方は、ぜひ弊社にお声がけください。
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